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Watson & Holmes(AI検索)質問のコツ

Watson & Holmes(以下「W&H」)は、自然文で入力いただいた質問に対して、Legalscapeに収録されている書籍・判例・ガイドラインや、官公庁のWebサイト等をもとに要約を出力する検索機能です。

キーワード検索と違い、質問の書き方によって出力の精度が大きく変わります。
このページでは、精度が上がりやすい質問の型と、その組み立て方をご紹介します。

はじめにご確認ください

  • W&Hは、収録文献をもとに要約を出力する仕組みです。質問の内容によっては、十分な要約が得られない場合があります。
  • W&Hは、入力された個別の事案について法的な判断を示すものではなく、法律事務を行うものでもありません。出力された要約は、必ず引用元の文献をご確認のうえでご活用ください。
  • 入力された質問文をAIの学習に使用することはありません。ただし、特定の個人や個別の事案が識別できる内容の入力はお控えください。

聞き方のコツ ― 6つの質問の型

型① ケース型 ― 具体的なシチュエーションを設定して聞く

「A社が…」「X社の代表者が…」「Aさんが運営するキッチンカーが…」のように、登場人物・状況・前提条件を具体的に提示したうえで、法的な論点を問う型です。前提が具体的であるほど、関連する文献を引き当てやすくなります。

プロンプト例

  • 「A社が新規採用した社員について、試用期間中の解雇を検討していますが、就業規則では試用期間中の解雇について詳細な規定がありません。過去の判例で、類似ケースで解雇無効となった事例があれば紹介してください。また、試用期間中の解雇を適切に実施するために必要な手続きや、規定に不足がある場合の対応策について教えてください。」
  • 「Aさんの父が亡くなり、遺言書により全財産をAさんに相続すると書かれていました。ただし、Aさんには行方不明の兄Bさんがおり、失踪宣告を申請する必要があると指摘されています。失踪宣告が完了するまでの相続手続きの進め方や、仮分割案の法的リスクについて教えてください。」
  • 「司法書士が登記申請を受任する際の本人確認・意思確認義務について、判例ではどのように解釈されていますか。特に、通常よりも高度な調査確認義務を負う『相当な理由』や『特段の事情』とは、具体的にどのような状況を指すのか、複数の判例を基に説明してください。」

 ポイント:前提条件を具体的に書くほど、該当する文献が絞り込まれます。 

型② 定義・解説型 ― 論点を1つに絞って端的に聞く

法的概念や制度について、テーマを1つに絞って「〜とは何か」「〜について教えて」と聞く型です。シンプルですが、テーマが明確であれば網羅性の高い要約が得られます。

プロンプト例

  • 「パワーハラスメントとは何か」
  • 「優越的地位の濫用とはなんですか」
  • 「株主総会の招集手続きについて」
  • 「個人情報はいつ削除すればいいですか?」
  • 「退任後の取締役の損害賠償責任の範囲について教えてください」

 ポイント:あれもこれもと聞きたくなりますが、1つの質問で1つの論点に絞ることで要約の深さが上がります。広く知りたいときは型⑥をお使いください。 

型③ 条件指定型 ― 「〜の場合に〜か?」と条件を指定して聞く

具体的なケースを前提に、条件を指定して問う型です。出力のスコープが絞られるため、的確な文献を参照した要約が得られやすくなります。

プロンプト例

  • 「取締役が自己破産した場合に欠格事由になるか?」
  • 「退任後の取締役は競業避止義務を負うか?」
  • 「契約書の条項として、その契約書が過去のすべての合意に優越する旨の条項を入れることは可能ですか?」
  • 「成果報酬制度を導入することが労働条件の不利益変更の禁止にあたりますか」
  • 「要配慮個人情報を含む個人情報から、仮名加工情報を作成することはできますか。」

 

ポイント:「〜か?」「〜ですか?」と問う形にすることで、スコープが絞られ、引用元の明確な要約が得やすくなります。

型④ 実務チェックリスト型 ― 留意点・ポイント・要件を求める

実務で何に気をつければよいかを聞く型です。「リスクを教えて」「注意点は何か」「要件を教えて」といった問いかけが該当します。

プロンプト例

  • 「比較広告を行う場合、景品表示法違反にならないためにおさえるべきポイントを教えてください。」
  • 「二重価格表示を適法に行うための要件について解説してください。」
  • 「スタートアップが従業員にストックオプションを提供する際の法的留意点を教えてください。」
  • 「委託事業者が中小受託事業者に値引きを要求する場合、取適法(中小受託取引適正化法)違反にならないための注意点は何ですか?」
  • 「生成AIに個人情報を含むデータを入力する場合、個人情報保護法上のリスクとその回避策を教えてください。」

ポイント:「〜違反にならないために」「〜を回避するために」のように目的を明示すると、実務に活かしやすい要約が得られます。

型⑤ 判例指定型 ― 判例をピンポイントで求める

判例を明示的に求める型です。テーマが具体的であるほど精度が上がり、「勝訴/敗訴」「金額〜以上」等の条件を付けると、目的に近い結果が得られやすくなります。

プロンプト例

  • 「配置転換に伴う労働紛争で、会社側が敗訴した労働判例を教えてください。」
  • 「新株予約権の公正価格の算定方法が論点となった判例について教えてください」
  • 「取締役の善管注意義務違反が問われた代表的な事例と、義務違反を回避する方法について教えてください」
  • 「夫の不貞行為が原因となり、離婚の慰謝料が300万円以上の裁判例を5つ教えて」
  • 「有利な発行価額での第三者割当増資について押さえるべきポイントと、代表的な判例を2、3点教えて」

ポイント:「〜が争点となった」「〜で敗訴した」「〜万円以上」など、条件を付けることで検索精度が向上します。

型⑥ 網羅型 ― 「〜を網羅的に教えて」と広くカバーを求める

あるテーマについて、まず全体像を把握したいときに有効な型です。ここから気になった論点を更問い(追加質問)で深掘りしていく使い方をおすすめします。

プロンプト例

  • 「取締役会のオンライン開催について網羅的に知りたい」
  • 「離婚時に留意すべき点を網羅的にピックアップして」
  • 「会計帳簿閲覧請求権について、網羅的に教えて欲しい」
  • 「窃盗の容疑で逮捕された被疑者の弁護をする。その場合の留意点を広く網羅的にピックアップして」

ポイント:まずこの型で全体像をつかみ、気になったポイントは更問い(追加質問)で深掘りするのが効果的です。

※精度が上がりにくい聞き方

W&Hは収録文献をもとに要約を出力する仕組みのため、以下のような聞き方では精度が上がりにくい傾向があります。

聞き方 理由
「最新の〜を教えて」

データベースにリアルタイムの最新情報が含まれていない可能性があるため、正確に要約ができないことがあります。
ただし、文献対象に「Web」が指定されている(通常デフォルト選択)場合、公表済みの法改正情報等は要約できる場合があります。

「〜を予測して」「〜の傾向は?」 書籍・判例・ガイドラインを引用元として要約する仕組みのため、将来の予測は対象外です
「〜を提案して」「〜の対策を考えて」 提案・企画の作成は対象外です
「〜の条項例を作って」 条項のドラフティングは対象外です。
ただし、収録文献に条項例が含まれる場合は、その文献を参照した要約が得られることがあります
テーマが漠然としている 「M&Aの法的リスクを教えて」のように対象が広すぎると、要約が浅くなり網羅性に欠けます

まとめ ― W&Hを使いこなす5つのコツ

  1. シチュエーションを具体的に書く ― 「A社が〜の場合…」のように前提条件を設定する
  2. 論点を1つに絞る ― 1つの質問で1テーマ。広く知りたいときは「網羅的に教えて」を使う
  3. 「〜か?」と問う形にする ― 引用元が明確な要約が得やすくなる
  4. 実務アクションに繋げる聞き方をする ― 「〜しないための注意点」「〜の要件」で実務に直結
  5. 判例を求めるときは条件をつける ― 「〜で敗訴したケース」「〜万円以上」で絞り込む

質問が固まっていないときは

「何を聞けばいいかわからない」という場合は、質問の形に整える必要はありません。お手元の相談メモや事案の概要をそのまま入力し、まず型⑥(網羅型)で全体像をつかんでから、更問いで論点を絞り込んでいく使い方が有効です。